「電話が鳴るたび、社長の利益が減っている」という話

税理士事務所へのよくある不満に、こんな声があります。

  • 担当者からなかなか返信がない
  • 質問への対応が遅い

その結果、経営者の皆さんは待ちきれず、電話をかけてしまう。
この状況、実は貴重な時間を奪っているだけでなく、
会社の利益を静かに蝕んでいるとしたら、どうでしょうか。

今回は、なぜ旧来の電話・FAX文化が非効率なのか、
そして、どうすれば社長が「未来をつくる時間」を取り戻せるのかをお話しします。

目次

なぜ電話が鳴るのか?

実は僕も、独立前に勤務していた会計事務所で、その「電話地獄」を経験してきました。
そこは、いわゆる電話・FAXが主役の職場。
「遅くても3コール以内に取れ」という暗黙のルールがあり、集中していても、電話が鳴るたび思考は中断。
FAXが届けば紙を処理し、スキャンする…その繰り返しでした。

なぜ、お客様はメールではなく電話をかけてくるのか。
原因はシンプルで、税理士側からの返信が遅いからです。

「メールを送ったのに、ちゃんと見てもらえているだろうか…」
その不安が、受話器を取らせます。

まずできる応急処置

当時、僕が電話を減らすために心がけていたのは、
すぐに答えられない質問がメールで来た場合でも、
まず「内容、拝見しました。確認して折り返します」とだけ、5分以内に返信することでした。

たったこれだけで、お客様は「放置されていない」という安心感を得られます。
もしあなたの税理士からの返信が遅いなら、
この「即レス」を一度お願いしてみるだけでも、
状況は少し改善するかもしれません。

時間を生み出す「根本治療」

しかし、応急処置はあくまで一時しのぎです。
独立後は、さらに一歩進め、電話とFAXを原則として廃止しました。
代わりに導入したのが、チャットツールとクラウドサービスです。

これにより、お客様と僕の双方にメリットが生まれます。

  • 連絡はいつでもOK(相手の時間を奪わない)
  • ファイルはオンライン共有で「あの件、どこでしたっけ?」がゼロに
  • 全てのやり取りと資料が、自動で検索可能な記録として蓄積される

あえて「電話対応しない」と公言する理由

僕の事務所では、原則として電話対応は行っていません。
「それだとお客さんが来ないのでは?」と思われるかもしれません。

確かに、この方針が合わず、離れていく方もいるでしょう。
しかし、起業して手にした大切な時間を、僕は電話対応で消耗したくありません。
価値観が合うお客様とだけ、深く長くお付き合いしたいのです。

だからこそ、この方針をあらかじめホームページに明記しています。
これは、お互いのミスマッチを防ぐための、最高の「フィルター」だと考えています。
電話文化にこだわらない方とは、ストレスなく、本質的な経営支援に集中できます。

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この記事を書いた人

吉澤 徳信のアバター 吉澤 徳信 税理士

30代のクラウド専門税理士。
経営者の時間を創り出すための業務効率化、税金のTIPSを発信。
趣味はゲームと漫画で、ブログでは『逆転裁判』から
税務調査を解説したりしています。
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