経費は「事業に関係あるかどうか」で決まります。
ただ、一度線引きをゆるめると歯止めが効かなくなるのが怖いところです。
基本ルールとグレーゾーンの考え方を整理しました。
経費の線引きは最初が大事
経費にできるもの、できないもの。
ここをあいまいにすると、あとで必ず自分が困ります。
基本はシンプルで「事業に関係があるかどうか」。
ただし、この「関係あるかどうか」は業種によって全然違います。
たとえば飲食業なら、食品の仕入れはもちろん経費になります。
でもITエンジニアが買った食品はどうか?
それはもう生活費ですよね。
実際、過去にお客さまから奥様の化粧品のレシートを経費として出されたことがありました。
さすがにそれは…と。
税理士じゃなくても「いや、それは経費じゃないでしょ」とわかる話です。
そして、一度決めた線引きを破ってしまうと危ないです。
「まあこれぐらいなら…」がクセになると、どんどん範囲が広がってしまう。
最初は小さなことでも、歯止めがきかなくなるんですよね。
ニュースで「最初は少額だった横領が、だんだん金額が大きくなった」という話をよく見ますが、あれと同じです。
経費も同じで、一度ゆるめるとブレーキが効かなくなる。
だからこそ、最初に「ここまで」と決めたら守るのが一番です。
経費かどうか判断する5つの基準
「これは経費になるのかな?」と迷ったら、次の5つを確認してみましょう。
- 自分で払ったものか?
- 仕事にちゃんと関係あるか?
- 売上につながる要素があるか?
- 領収書や請求書など証拠が残っているか?
- 税務署に聞かれたとき説明できるか?
この5つを満たせば、だいたい安心です。
逆にどれかに引っかかるなら、経費にしないほうが無難でしょう。
具体例で考えると、
・自分で払ったものか?
→ 自分の財布・会社の正式な支払フローで支払ったかを確認しましょう。
→ 人の領収書を借りて代わりに出すのはNG(本人が払ってないものを経費にするのは不正です)。
→ 会食で誰かに奢ってもらった場合もNG(実際に支払っていない支出は経費になりません)。
- 仕事に関係あるか?
→ エンジニアが買った最新マウスはOK。奥さんの化粧品はNG。 - 売上につながるか?
→ 営業用パンフレットはOK。家族旅行はNG。 - 証拠があるか?
→ 領収書があれば安心。なくして口頭説明だけはNG。 - 説明できるか?
→ 「業務の勉強のための書籍です」はOK。
→ 「趣味で買った映画DVDです」は説明に困るのでNG。
領収書や請求書など証拠をなくしてしまったときの対応はコチラの記事に詳しくまとめています。

グレーゾーンとの付き合い方
とはいえ、現実には「グレーゾーン」もあります。
- 家賃
自宅兼事務所なら、仕事部屋の分だけ経費に。 - スマホ代
プライベートと仕事の割合で按分。 - 交際費・会食代
友人との飲み会はNG。取引先との打ち合わせ食事はOK。 - 書籍やサブスク
ビジネスに関係あるならOK。完全に趣味ならNG。
このあたりは「説明できるかどうか」がカギです。
逆に「これは説明に困るな…」と思ったら、経費に入れないほうが安全です。
まとめ
経費の線引きは、
- 事業に関係あるかどうか
- 一度決めたルールを守る
- グレーゾーンは説明できるかで判断
この3つを意識すれば大きな失敗は避けられます。
結局のところ、経費って「税務署に見せても胸を張って説明できるか?」に尽きるんですよね。
堂々と説明できるものだけ経費にしていけば、安心して仕事に集中できます。
