ひとり社長でも退職金を考えるワケ

「ひとり社長なのに退職金?」
なんとなく違和感があるかもしれません。
社員もいないし、自分で会社をやって、自分で辞めるだけ。
そこに退職金なんて必要あるのかな、と。

目次

社長と会社は別もの

ひとり会社って、「自分=会社」と思いやすいです。
でも実際は、社長と会社はまったく別。
お金の世界でも、会社の財布と自分の財布はちゃんと分けて考えるのが基本です。

その橋渡しの方法はいくつかあります。
毎月の給料、配当、そしてもうひとつが退職金。

ざっくり言うと、給料は“今”の生活費。
退職金は“未来”の生活費。
そうやって切り分けて考えると、退職金にもちゃんと意味があるんだなぁと。

未来に仕送りする感覚

ひとり社長だと「利益=自分のお金」という意識が強くなりがちです。
もちろん間違いじゃないんですが、全部を給料にすると今に偏ります。

そこで退職金という枠をつくる。
形式を整えて「将来のお金」として積み立てていく。
そうすると“未来の自分に仕送りする”ような感覚になります。

この積み立て方はいくつかありますが、よく使われるのが「経営セーフティ共済(倒産防止共済)」。
掛金は全額経費にできて、いざというときに解約すればまとまった資金が戻ってくる。
それを退職金に充てる、という流れです。

節税のメリットもありますが、それ以上に気持ちの切り替えになるのが大きいです。
「これは今じゃなくて未来のお金だ」と思えるだけで安心感が違ってきます。


ルールを作るからこそ意味がある

退職金は気分で出すものではありません。
役員退職金規程をつくって「こういうときに、いくら出す」と決める。
そのルールがあるから、自分に甘えにくくなるんです。

ひとり社長でも規程をつくるのは自由です。
利益が出たときに少しずつ積み立てておけばいい。
退職のときに「よくやったな」と未来の自分に渡す。
まあ、それだけでも十分なんじゃないかなと。

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この記事を書いた人

吉澤 徳信のアバター 吉澤 徳信 税理士

30代のクラウド特化税理士。
経営者の時間を創り出すための業務効率化、税金のTIPSを発信。
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